10│情報リテラシーとは何か(3/3)

10│「情弱w」とバカにされないために必要なこと(3/3)

※10年前のアプリ当時のテキストです。今後修正を加えていく可能性大です。

 I、IIとお話ししてきた上で言えるのは、情報は受け取るものだけではなく自分から発信するものとして、いわばその「立ち位置」を増やした、ということです。

 自分の身を脅かす事態は、向こうからやってくるだけでなく、自分からも作り出せるようになった、と表現して差し支えないでしょう。

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(よくツイッターは「さすがバカッター」「さすがバカ発見機」などと揶揄(やゆ)されますが、それもやはり気軽に自分の”気持ち”を反映させやすいツールだからこそなのだと思います)

 しかし繰り返しになりますが、これはなにもツイッターに限った話ではありません。

 メールや書き込み、ブログ。ネットが介在するすべてのメディアは、思ったこと、感じたこと、プラスの感情もマイナスの感情もダイレクトに誰かに渡してしまうことができます。

 そして、ここがとても大事だと思うのですが、人間、感情に駆られて行動する時って、大概(たいがい)失敗するんじゃないのかなと思うのです。

 乗せた感情がマイナスのものであるなら、まだ気づきやすいかもしれませんが、先ほどのお話のように「誰か何かを助けなければ」とか「これは一刻も早く知らせなければ」という、ごくごくまともなはずの気持ちが乗ってしまったとき、それ故に「情報を上手く扱う」ことは、恐ろしく難しいものになります。

 そして、そこに実名・匿名の違いはありません。

 では、どうすればいいのか。

 自分なりにまとめてみると、大切なのは、

*自分自身が不正な情報の作り手渡し手になりうることを、まずは自覚する。

*どんなものであろうが、手元にやってきた情報は全て、誰かの主観によってあらかじめ編集されているものであることを、これも自覚する。
(前後関係が切断されて、本来とは異なる印象が意図的に作られている情報もあります)

*情報が流された元の時間を確認する。
(手元に流れてきた時点で事実でなくなっていること、事実そのものが変わっていることもあります)

*感情を煽(あお)るような情報がやってきたら、一度じっくり読んでみる。

*やってきた情報に違和感を覚えるなら、ソースを確認してみる。
(場合によっては放置してみること)

*その情報を本当に流してもいいか、一度時間をおいて考えてみる。
(自分がなんらかの感情に囚われているということはないか、考えてみる)

 これらを念頭におきながら、日々の情報に接し、そして考えていくことだと思うのです。

 情報がその立ち位置を増やしたことで、身の守り方という言葉の意味も変わります。

 受け取る相手のことを思えばこそ、届けようとする情報を一度手元でじっくり見つめてみることが、情報リテラシー、情報をうまく扱うことの一歩目なのではないのでしょうか。

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