【ネタバレなし】この夏最高の1本? やっぱり映画館で観るべき??『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』感想

早くもこの夏最高の映画か?『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』評

 こんにちは、またはこんばんは。たのさんです。みなさん今週も映画、観てますかー。

 2023年7月29日(金)、TOHOシネマ新宿にて、映画『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』を観てきました!今年…何本目かな。あとで数えます(笑)。※16本目でした。

 ハリウッドが誇るスパイアクション映画の超人気シリーズ。当初「パート2」と合わせて2021年・22年に連続公開が予定されていたものの、コロナ禍によりスケジュールの切り直しという不運にも見舞われ、しかしながら今年とうとう公開を果たしたその最新作をご紹介していきたいと思いますー!

■作品データ&評価

・タイトル:「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」
・監督:クリストファー・マッカリー
・脚本:トム・クルーズ、クリストファー・マッカリー ほか
・出演者(役名):トム・クルーズ(イーサン・ハント)、ヘイリー・アトウェル(グレース)、ヴィング・レイムス(ルーサー・スティッケル)、サイモン・ペッグ(ベンジー・ダン)、レベッカ・ファーガソン(イルサ・ファウスト)、ヴァネッサ・カービー(アラナ・ミツソポリス)、イーサイ・モラレス(ガブリエル)、ポム・クレメンティエフ(パリス) ほか(名前の並び、表記はウィキペディアに準拠)
・音楽:ローン・バルフ
・上映時間:163分
・公開日:2023年7月21日(日本)
・映画.com:4.2/5.0(2023/07/29現在・402件)
・Filmarks:4.1/5.0(2023/07/29現在・14,330件)
・Yahoo映画:4.2/5.0(2023/07/29現在・2,962票)
・Movie Walker:4.6/5.0(2023/07/29現在・308件)
・Google:94% のユーザーがこの映画を高く評価(2023/07/29現在)

■概要

2022年、映画史に激震を与えたトム・クルーズが満を持して全世界に贈る最新作は『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』。
欧州市街地での激しいカーチェイスや、断崖絶壁からの大ジャンプ、そして激走する列車上での格闘──
ただ、見どころはトムが「俳優人生で最も危険」と語るアクションだけではない。
シリーズの随所に張り巡らされた伏線が交差する、紛うことなき“集大成”となった。
(公式サイトより)

ミッション・インポッシブル デッドレコニング PART ONE ©︎paramount

■ストーリー

イーサン・ハントはアメリカ合衆国の情報機関・CIAのスパイ組織「IMF」のエージェント。
彼が命じられたのは、全人類を脅かす可能性を新兵器を「悪」の手に渡る前に見つけ出し、CIAに、アメリカに引き渡すこと。
しかしそれは、イーサン自身の“逃れられない過去”との対峙する運命をも運んでくる。
命令を下したはずのCIAすら敵にまわし、世界中の機関・組織から追われる身となったイーサンと仲間たち。
その先でイーサンに突きつけられる「選択」とは──。
(公式サイト…の説明文があまりにもしょぼかったので自分で作成)

『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』©︎paramount

■たのさんの個人的評価

※映画の内容について、公式サイトなどからすでに紹介・開示されているアウトラインに沿う形で触れています。

 採点は4.7点(5.0満点)。4.7点は(レビューまだ書いてませんが)「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」と並んで今年観た映画の中では最高点ということになります。

 いやー面白かった! 最高でした。

 正直複雑な事情が入り組みすぎて理解が追いつかないシーンや背景もありますが、映画館で是非観てみてほしい1本です(理解が追いつかないところを放置しても十二分に楽しめると思います!)。

 たのさん、「M:Iシリーズ」を映画館で観るのは「1」以来なんですが、正直以降の作品にはそこまで興味なくて、どっちかっていうと敬遠してきた感じです。

 どうして?って言われると困るのですが、多分「2」のド派手な演出と公開当時のキャンペーンに「なんか違うなー」と思って、そのまま来てしまったのかなと思います(「1」は、ブライアン・デ・パルマの抑制の効いた演出が良かったんじゃないかなと思っています)。

 ちなみに「1」の評価は4.8です。「思い出補正」もあるかもしれませんが、観終わって映画館を出たときの高揚感は今でも忘れることができません。素晴らしいど傑作でした。

 では、そんな「1」に対して今回の「デッドレコニング」はなぜマイナス0.1なのか? 面白さはどこにあるのかを以下に紹介していきたいと思います。

『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』©︎paramount

■『インディ・ジョーンズ』が作れなかったもの

 あまり他の作品と比較して紹介するのは悪手なのかなーとも思うのですが、今年はもうひとつのハリウッド屈指の人気シリーズ、『インディ・ジョーンズ』の最新作にして最終作(?)が公開されていますので、そちらと比較する形で『デッドレコニング』についてご紹介してみたいと思います。

 たのさん、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』の評点は「3.8」(レビューはまだ上げてません)です。これでも、たぶんすこし甘めの評価ってことになると思います。

 で、まあ端的に言ってしまうとその「減点要素」(これも好きな言葉ではないですが)の大きなものとしては、「インディにどんなピンチが迫ってくるのか、そのちょっと前にわかってしまうこと」と、「インディシリーズに不可欠だった(はずの)ウィットに飛んだ笑いが少ない」というのがあったんですが、『デッドレコニング』はこの2つを高次元で表現できている、という比較ができるかと思います。

 どういうことかというと、今回奇しくも、どちらの作品でも「列車の屋根の上のアクションシーン」というものが存在するのですが、「インディ」では、インディに危機が迫る5秒前ぐらいには「どんな危機がやってくるのか」が予告されるんですね。

 これはライトな観客を視野に入れた「わかりやすさ」優先のリードなんだと思うのですが、やはり緊張感は削がれてしまいますし、ほぼほぼ観客は「まあインディは切り抜けるよね」と思ってしまうので、その意味でも緊張感が生み出されません。

 これに対して、『デッドレコニング』では、(そもそもの列車のスピード感からして違うのですがそれはさておき)どのタイミングでどんな危機がやってくるのかわからないようになっています。時には早すぎて観ている側が置いてけぼりをくらうぐらいなのですが、しかしそれが高い次元での緊張感を生んでいるんですね。

『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』©︎paramount

「ウィット」についてもお話ししておくと、たのさんにとっての「インディ」のマスターピースは『最後の聖戦(3作目)』になるのですが、父のヘンリー(ショーン・コネリー)とともにナチスにとっ捕まって仲良く椅子にぐるぐる巻きにされて部屋に放置、というシーンがあるんですね。

 これが命の危険にさらされるシーンでありながら、めちゃくちゃ笑えるんですよ。

「インディ」シリーズには(というかハリウッド映画についての重要な文化でもあると思うのですが)そういうウィットに富んだ笑いが随所に仕込まれていて、それが映画全体の絶妙な「緩急」のリズムを作り出す要素にもなっている(ここら辺はいずれ創作論についてのコラムでお話しできればと思っています)。

 残念ながら『運命のダイヤル』では、その部分が非常に欠落してしまっていた感が否めず、間伸びした印象にも直結しているのかなと思います。

『デッドレコニング』はきっちりその部分も意識して作り上げている印象がありました。いわゆるハラハラドキドキの連続のなかでも、やはり笑える要素を組み込むことを忘れていないんですね。

 今回上映時間がそれがトータルで163分、TOHOの上映案内ではきっちり3時間(!)となっているのですが、その長さを感じさせないものになっているのはすごいの一言です(ちなみにたのさん、上演時間知らずに観てしまってお昼過ぎに見始めたのに終わったら夕方になってる!? って超ビビりました)。

『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』©︎paramount

■あのシーンでトム・クルーズのポリシーが最大限の緊張感を生み出す

 アクションについても、(なんか上からな言い方ですが)やはりよく研究されているし、「『ミッション〜』シリーズを観に来るファンが並のアクションを見せられて満足するはずがない」というのを、何よりトム・クルーズをはじめとした製作陣がよくわかっているんだと思います。

 同時にそれは制作のハードルを必然的に上げることも意味するのですが、先述の列車でのシーンやカーチェイス、はたまた逃げ場のない四面楚歌に陥ってしまうシーン。これまでの経験から予想できる観客の「だいたいこんなもんかな」を、『デッドレコニング』はきっちりと超えてきます。上手いんだな、これが。

 すでによく知られた話かもしれませんが、トム・クルーズはアクションシーンでスタントを使いません。自分の生身で挑むのが役者としての彼の信条となっています。

 今回その凄みが最大限に伝わってくるのが、公開前から話題にもなっていた、断崖からバイクで飛び降りるシーン。

『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』予告 ©︎paramount

(ちなみにこの予告編に入っているシーンはぜんぶ『デッドレコニング』ででてくるものです)

 映画館のスクリーンが作り出す臨場感と「トムが自分でやっているんだな」という情報が合わさったときの、このシーンがもたらすカタルシスは「とんでもない」の一言。

 個人的な傑作の要件のひとつとして、「死の匂いを感じられるか?」というものがあるのですが(これもいずれ「創作論」としてまとめたいと思いますが)、「ひょっとしてPART TWOにイーサン(トム)いないのでは…?」と思わされるぐらいの「どうなるのー!?」なすんごいアクションがてんこ盛りです。実際どうなっているのかも含めて、ぜひとも映画館ですべてを体験してみてほしいです。

 音楽も文句なしです。お馴染みのあのテーマ曲のアレンジも、今まで聴いてきたなかで最高のものだなーという印象。

 もちろんストーリーの詳細には触れませんが、個人的には、ヴィング・レイムス演じるルーサー(超スゴ腕のハッカー役。今回初めて知りましたがなんとトムとともに「ミッション〜」シリーズ皆勤賞!)とヘンリー・ツェニー演じるキトリッジ(CIAの監督役。こちらは1作目以来の出演)の顔が見られたのが、1作目以来本格的にシリーズ作品を観る身としてはなんとも嬉しく、そして懐かしかったです。

左からイーサン(トム・クルーズ)、ルーサー(ヴィング・レイムス)、ベンジー(サイモン・ペッグ)。ベンジーは『M:i:III』からの古参メンバー ©︎paramount
キトリッジ(ヘンリー・ツェニー)。実に27年ぶりのシリーズ復帰 ©︎paramount

■まとめ:IMAXでも観てみたい!

 まとめです。個人的な採点としては4.7(5.0満点)。映画館ならではの臨場感でぜひとも味わってほしい一作です。

 途中様々な思惑や背景やアクションが交錯しすぎて(しかも早い)置いてけぼりをくらう感もありますが(先述の列車のシーンでも「今どうやって切り抜けました?」みたいなシーンもありました)、そこは気にせずストーリーの流れやアクションを楽しんでほしいと思います。

『トップガン・マーヴェリック』に続き、コロナ禍という困難を乗り越え「これぞハリウッド!」なエンターテイメントを見せつけてくれたトム・クルーズ。

 現在米俳優組合のストライキという、これまた困難に直面(ストに合わせて撮影も休止中)していますが、何より無事に撮影を終えて(『PART TWO』は現在も撮影中・2024年6月公開予定)、続編を見せてほしいです!

 補足。今回はスクリーン9(TCX/Dolby Atomos)で鑑賞したのですが、正直言って今回はIMAXで観てみたくなってしまいました。

『リトル・マーメイド』での経験からIMAXは敬遠しているのですが、「あのシーンをIMXで観たらどんだけおもしろいのだろう」というワクワクが消えません。来週にはもう足を運んでいる気がします(笑)。

 皆さんも、是非!

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』©︎paramount

■「ミッション:インポッシブル」シリーズ ナンバリング&公開年早見表

・ミッション:インポッシブル(1996年)
・M:I-2(2000年)
・M:i:III(2006年)
・ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(2011年)
・ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション(2015年)*
・ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年)*
・ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年)*
・ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART TWO(2024年6月公開予定)*
*監督・脚本にクリストファー・マッカリーが携わっている作品。

・「ミッション:インポッシブル」シリーズ最新作・『デッドレコニング』シアターリストはこちら!

・『ミッション:インポッシブル』公式ツイッター @MImovie_jp

※本サイトにおけるあらゆるテキストの転載・複写等を禁じます。