kindle本を出してみました。

kindle本を出してみました。

 ええとですね……、kindle本を、出してみました……。

性寂論 寂しさから始まる幸福論(画像をタッチ/クリックするとアマゾンのページに繋がります)

『性寂論(せいじゃくろん) 寂しさから始まる幸福論』と、発しやす。

■どんな本なのか?

 まず、これは本文にも書いたんですが、怪しげなタイトルに思えるかもしれませんが、自分はなにかやべー団体に所属してるとか、この本を読むと川上からツボやセミナーの招待状が流れてくるとか、そういうことはないので、それは安心してくださいね(´ω`)ニコォ…。

 それで、うーんと、どこからどこまでお話しすればよいのやら……。

 子どもの頃、荀子の性悪説・孟子の性善説という考えに触れました。「人間の根本は悪である/善である」とする考え方ですが、私はどちらにも馴染めなくて、そこから「じゃあ人間の本質ってなんなのだろう」と考える、長い長い旅が始まりました。

 他方で、これは高校生の頃に出会ったマンガの『MASTERキートン』という作品の、とあるエピソードからの影響なのですが、「幸せってなんなんだろうか」という疑問が頭をもたげてくることになります。

 そうしたいくつもの疑問を、『MASTERキートン』のように、古いマンガなら『F -エフ-』(六田登)や『ハチミツとクローバー』『新世紀エヴァンゲリオン』、最近なら『進撃の巨人』『ハイキュー!!』『葬送のフリーレン』そして『ミステリと言う勿れ』といった作品たちの助けを借りながらなんとかまとめ上げることができて、結果、「性悪説」も「性善説」も、これまでのすべての幸福論も、ついでに近代哲学の礎になってきたものまで全部吹っ飛ばすような、新しい人間観、新しい幸福論の本が出来上がった、みたいな感じです(どんなだ)。

■どうしてこの本を書いたのか?

 これも本書のなかに書き記したことではあるのですが、たとえば京アニ事件やオウム真理教によるテロ事件や秋葉原の通り魔殺傷事件といった、日本を震撼させてきた事件たち。

 これらの核にあるのは、私にはいつも「寂しさ」だったように思えてなりません(どうしてそう思うのかについては、やはり本書を読んでいただきたいです)。

 これはもちろん、「彼らの抱えた寂しさを慮るべきだ」というような、加害者たちに対する擁護の言葉ではありません。

 ありませんが、しかしニュースショーなどでこうした事件の犯人たちを「モンスター(=“自分たち”には決して理解し得ないもの・理解しなくていいもの)」と表現して一括りに葬り去り、安心した気になっている画面の奥の人たちやそれに盲従する人たち、あるいは盲従したい人たちの姿を見ていると、「違うだろう」と言いたくなってしまいます。

 秋葉原での事件が起きた時、個人的にとても印象的だったのは、犯人の“背景”が明らかにされていくにつれ、「ひょっとしたら(犯人として)あそこに立っていたのは自分だったかもしれない」と感じた人たちが決して少なくない数いた、という事実です。

 加害者たちをモンスターと括り理解の外へと追いやるのは、「自分もモンスターなのかもしれない」と不安を抱える「普通の人たち」をも、(さらなる)漠然とした孤立へと追いやることに他ならないのではないでしょうか。

 そしてそれは、いずれ必ず「事態の再生産」へも繋がってしまうはずです。

 これらをできることなら防ぎ、また解決するために(いや、解決はできないのかもしれませんがすこしでもよいほうへと変えていけるように)、ちゃんと「大丈夫だよ」と伝えてあげられるような言説が存在しなければならないと思いましたし、嘘のないちゃんとした「大丈夫だよ」であるために、その言説は当然ながら理路整然とした(こむつかしい言葉を使いますが)「論理」であるべきだと考えます。

 本書で中核に据えた「性寂論」という考え方は、嘘のない理路整然とした言説の一つであり、かなり「正解」なんじゃないかと思っています。

*     *     *

 もう忘れてしまった人のほうが多いのかもしれませんが、20世紀が終わり21世紀が始まろうとしている時、盛んに言われたものに、「21世紀は心の時代だ」というものがありました。

「心の時代」よりかは「心の闇の時代」なんじゃないの、とさえ思ったりしてしまいますし、むしろ20世紀の思考に逆行するような感覚さえ、誰しもが覚えるところかもしれません。

 それでも、今回ここでお話しさせていただいている「性寂論」という考え方と、そこから始まる幸せのかたちについての考え方とが、新しい時代を本当の意味で切り拓いていくための礎、処方箋になり得るんじゃないかな、と思うのです。

 全体で55ページと、本としてはやや短めに思えるかもしれませんが、上記のテーマをお話しするのには十分だと思いました(長ければ名著ってわけでもないですし)。

 人によっては、世界の見え方が(たぶん良い方へと)大きく変わるかもしれません。

 そのくせ価格は500円です(Kindle Unlimitedでも読めます)。世界が変わるかもしれないのになんと500えん(Kindle Unlimitedでも読めます)。すごくないですか(Kindle Unlimitedでも読め)。もう買うしないじゃないですか奥さん(テリー伊藤風)!

 何卒よろしくお願い申し上げます。m(。-_-。)mペコリ.

『性寂論(せいじゃくろん) 寂しさから始まる幸福論』